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松葉ガニとは。水揚げされる漁港や生態、漁法まで

松葉ガニとは。水揚げされる漁港や生態、漁法まで

松葉ガニとは

松葉ガニとは、山陰地方(島根県、鳥取県、京都府北部、兵庫県北部)で水揚げされるズワイガニの雄の呼び名です。「松葉ガニ」がブランド名、「ズワイガニ」が生物としての種名です。ズワイガニのブランド名には他にも、福井県の越前ガニ、石川県の加能ガニなどがあります。

松葉ガニの中でも京都の間人(たいざ)ガニ、兵庫の津居山ガニなど、漁港ごとに独自に名前が付けられているものもあります。各漁港ごとに、カニに識別用のタグを付けてどこで水揚げされたものなのかが識別できるようにしています。産地ごとにブランドを守るために厳しい品質管理を行い、基準に達したカニにのみタグをつけています。

ちなみに、カネリョウ商店のある香住港の名がついている「香住ガニ」は、ズワイガニではなく紅ズワイガニという別の種類のカニの呼称です。香住の紅ズワイガニについては、別の記事で詳しくご紹介します。

⇒香住漁港の特産紅ズワイガニ「香住ガニ」

 

松葉ガニの餌と生息地

松葉ガニが生息しているのは、水深100m~200mの海底。実際には水深300mほどの深さにもいますが、あまり深いところにいるカニは身入りが悪くなり、蟹味噌の質も落ちます。松葉ガニは海底に落ちてきた魚やエビ、貝類などを食べます。水深や海域によってこれらの餌となる生物の種類や量が違い、それが松葉ガニの身のつまりや味に影響を与えています。

松葉ガニが漁獲対象になる成体(大人)になるのに、8年~10年かかり、私たちが食べるカニの多くは15年ほど生きたものだと言われています。

 

松葉ガニの漁法

松葉ガニの漁期は毎年11月~翌年3月まで。中でも一番身入りがよく、美味しいカニが獲れるのが12月~2月の間です。

松葉ガニは昔ながらの漁法である底引き網で漁獲されます。香住の蟹漁業の歴史については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。)漁に出る期間は、大型の漁船で1週間ほど、小型の漁船で2~3日。漁に出ている間は夜もエンジンを止めずに、網を打って、数十分~1時間ほど引いて、上げて選別して、を繰り返します。底引き網では松葉ガニだけではなく、カレイやバイ貝、エビなど旬の魚介類が網に入り、出荷されます。

実は底引き網漁は餌でカニをおびき寄せる「かご漁」と比べて、あまり効率の良い漁法ではありません。かご漁で獲ったほうが多くのカニを獲ることはできますが、資源保護の観点で松葉ガニの漁は底引き網に限定されています。実際に韓国や北朝鮮では松葉ガニのかご漁も行われています。

資源保護のために、漁法だけでなく漁場や、獲っていいカニのサイズにも制限が設けられています。漁場は漁船の大きさや所属している漁港によって、底引き網を引いてよい範囲が決まっています。甲羅の大きさが一定以下の松葉ガニの漁獲は禁止されており、底引き網の網の目を大きくして小さなカニが掛からないよう工夫されています。もし網に小さなカニが掛かった場合も、船上での選別の時に海に逃がします。

カネリョウ商店の釜屋では、松葉ガニを水揚げされたその日のうちに蟹の出汁で炊き、その蟹のもつ本来の旨味を最大限に引き出して、ご提供しています。11月~3月の漁期の間でも、仕入れの状況によって購入いただけるタイミングが限られますので、商品一覧ページより入荷状況をご確認ください。

 

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